【神戸ソーシャルセミナーwithフリースクール(2018.10.10)】

「不平等をなくす」─フリースクールの視点から─

神戸ソーシャルセミナー、今月のテーマは「差別をなくす」。第一回目はNPO法人フリースクールみなも理事長の今川将征さんからお話を聞きました。大学卒業後一年足らずでフリースクールを立ち上げたという今川さんに「フリースクール」という教育のあり方について教えて頂きました。

「フリースクールみなも」今川将征さん

───フリースクールとは?
現在日本にあるフリースクール全てで共通しているのは「不登校の子どもが来ている」という事のみです。どういったコンセプトで、どのような事をしているかはそれぞれ異なり、多くは「安心して過ごせる居場所」をキーワードに教育の場を提供しています。一方で「学校へ戻る」ことを最終目標にしている団体や、学習塾をベースに、不登校の子どもの学習サポートのみをおこなっているところもあります。現段階で「フリースクール」を定義づけるものは無く、様々な形のものが存在しています。

───フリースクールみなもの活動。
先ほど述べたようにフリースクールに決まった形はありません。今川さんが運営するフリースクールみなもは2004年に設立されました。不登校の子どもたちに有用だと考え、かつ自分たちができる事はなんでもおこなっていく。「多方面から総合的に」をコンセプトに子供たちを支援しています。強制されるものは一切なく子供たちの気持ちを最優先に考え、ひとりひとりのニーズに合わせた場を提供しています。また、「親カフェ」といった不登校の子どもを持った親同士が交流できる場もつくり、子どもだけではなく親の不安も共有し緩和する取り組みもおこなっています。


セミナーの様子

───「学校を選ぶ」という事、それにともなう課題。
現在の日本の法律で普通教育を受けられる場として認められているのは「学校」のみです。これは学校以外の民間の学びの場に通う子どもが、「不登校」として扱われる事を意味します。「人間関係に悩み学校に行きづらい」、「学校のカリキュラムではない別のコンセプトで学びたい」等のいかなる理由であっても、「学校に通わなければ不登校」という事になります。ここで子どもたちの意に反した不平等が生まれているのが現状です。

──学校に行けなくても大丈夫。
今回今川さんにお話しして頂いた「フリースクール」。学校以外にも「安心して過ごせる居場所」は存在する。その事実は「学校」という場に翻弄される子どもたちにとっての光になります。外の世界には多くの選択肢があるという事を知ってもらうだけでも子どもは「安心感」を得る事ができ、自分が呼吸しやすい環境へと身を置く事に繋がります。

セミナー参加者の感想より

今大人が子どもにできる事はなにか。「自由って安心できそうで、安心できない。」いくら自由にしていいと言われても、発達段階の子どもにとって漠然とした自由は不安な面もあると思います。子どもと接する大人に求められているのは「将来のために」と強要するのではなく、ひとりひとりの声に耳を傾け「道はひとつではない」と伝える事、本人の意思を尊重し許容することだと考えます。目まぐるしく変化する時代と並行して、教育の形も一層自由に、子どもたちにとってより心地よい環境を整えて欲しいです。(神戸学生ライター 関口 )