【神戸ソーシャルセミナーwithユニバーサルビーチプロジェクト(2018.11.21)】

2018年11月21日 神戸ソーシャルセミナー

「持続可能なまちづくり」─神戸市のこれから─

神戸ソーシャルセミナー11月のテーマは「持続可能なまちづくり」。第二回目は神戸市役所、NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト副理事長秋田大介さんにお越しいただき「持続可能なまちづくり」に関連して自身の活動していることや、神戸市のこれからについてお話しをしていただきました。

  • セミナーの様子① 当日は20人強の方が参加しました。

 

○秋田大介さんについて。

秋田さんは神戸市役所で働きながら、NPO法人で社会活動も行っています。神戸市役所では市の都市計画に力をいれており、学生の頃から培ってきた環境に対する理解と知識を都市計画へと結びつけ、より環境負荷のすくない過ごしやすいまちづくりに励んでいます。またNPOの活動として障がいのある方もない方も皆に海水浴を楽しんでもらう活動を行っています。型にはまらず向上心をもって活動する姿に触発された方も少なくないようです。

 

○市民として『できない』を『できた』へ。

秋田さんが行っているNPO活動は須磨のビーチを障がいを持った方でも安心して楽しめる、ユニバーサルデザインのビーチにしようという「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」というものです。車いすでも砂浜の上をとおり波打ち際まで行くことのできる「ビーチマット」や、水陸兼用車いす「ヒッポキャンプ」などを取り入れ「みんなの『できない』を『できた』に変える」を合言葉に活動しています。

 

『NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトHP』

< https://peraichi.com/landing_pages/view/sumamap >

 

○まちを「持続可能」にしてゆくために。

「持続可能なまち」とはすべての人が基本的なサービスを受けることができ、環境や社会的弱者にも配慮され、皆が平等に安全に過ごすことのできるまちのことです。

 

  • 人口減・税収入減の中で生活サービスを維持していく
  • 安全は確保しながら、生活の場として多様性を求める
  • 環境負荷が少ない生活ができる都市構造

 

秋田さんは日本における持続可能なまちづくりにはこの三点が重要になるとおっしゃっていました。人口が減少していく中でも地域の特徴を活かし、子育てや仕事ができる環境を整える。そうすることで若い人が地域に入るようになり、持続が可能になるといいます。「安全の確保」というのは、具体例として人口減少が著しい地域が山のふもとであった場合、土砂崩れなどの災害対策に努める必要があることを意味します。

「環境負荷が少ない生活」については神戸市が「人と公共交通」をキーワードに現在進行形で都市計画を進めています。主な計画として三宮再開発や、水素エネルギーの利用拡大などに取り組んでいるそうです。三宮の車利用者を減らすために、そごうやマルイのそびえ立つフラワーロードの車線を大幅に減らす事業を進めています。「車を使用していては環境にいい街はつくれない」。できるだけ歩くこと、自転車や電車などを自然と選ぶまちづくりを進めています。

  • セミナーの様子②

 

○「ひとを動かす」「まちをつくる」。

中学生の時から科学雑誌『Newton(ニュートン)』を愛読していたという秋田さん。ある時の特集は「地球が危ない」、その次号は「未来は水素社会」だったといいます。この二冊で自分の人生は決まったと明るい口調でおっしゃっていました。大学進学でも環境への興味は薄れることなく、環境の学ぶことのできる学部へと進学したそうです。

興味関心のある分野に対して自身の理想だけにとどめず、実現のために一つ一つ課題をこえていく。効率のよいアウトプットに長けている方だと感じました。「この課題をクリアするには何が足りていないのか、必要であるのか」を慎重に見極めたのち、進むことを選ぶ。言葉にすると当たり前のことのようにも聞こえますが、実際に実行しているひとは極わずかだと感じます。秋田さんの行動力には根拠のある確信があり、だからこそ人が動くのだと感じました。

 

○まちづくりに大切なこと。

行政、市民、業者。どれかひとつでも自分だけの都合に合わせてしまえば持続は不可能になります。それぞれの立場から意見を交換尊重しあい、人々の笑顔がよりあふれるまちへと変えてゆく。「今から、いつまでに、何をする」という具体的な目標を繰り返し積み重ねていくことが、まちの発展に大切であるとおっしゃっていました。

三宮再開発の「車の優先順位を落とす」という話に関して車を利用することが「閉ざされた空間」を作りだし、ひととの繋がりをなくしてしまっていることに気づかされました。車に乗っていては表情がわかりません。公共機関や徒歩といった手段を使うことで、ひとの感情の動きなどを肌で感じることができ「同じ場にいる」という繋がりができるように思います。ひとが自然と集まり良いエネルギーで包まれる、そんなまちにより近づくことを期待します。(学生ライター関口)