【神戸ソーシャルセミナーwithアーバンピクニック(2018.11.28)】

2018年11月28日 神戸ソーシャルセミナー

「持続可能なまちづくり」─空間とひとを結ぶ─

神戸ソーシャルセミナー11月のテーマは「持続可能なまちづくり」。第三回目はアーバンピクニック、神戸モトマチ大学代表村上豪英さんにお越しいただき、まちを皆でつくってゆくことの意義についてお話して頂きました。

  • セミナーの様子

 

○「神戸モトマチ大学」プロジェクトきっかけ。

阪神・淡路大震災当時、学生だったという村上さん。大切な神戸というまちが崩壊した状況で、自分に何ができるのか真剣に考えたといいます。しかしそれから年月は流れ東日本大震災のボランティアをしていた際「神戸はどのように復興したのか」という問いに上手く答えることができず、自身が行動へ移せていなかったことに衝撃を受けたそうです。そこから「人の輪を生み出す」プロジェクトとして神戸モトマチ大学を始めました。

 

○学びから人の輪を。

神戸モトマチ大学は元町から三宮間をキャンパスとして考え、学びを通して人との繋がりを広げていくプロジェクトです。生活や人を、まちを変えることに貢献している方に授業を行ってもらい先生と生徒の輪が広がり、神戸のまちを考えてアクションを起こす核へと育てば」(神戸モトマチ大学HPより)と願い活動を行っています。

 

○『所属』は広がらない。

神戸モトマチ大学では主に「遠くからつなぐ」「リピートを求めない」ということを大切にしているといいます。関わりのなかったひと同士をつなぐ。人間関係によって抑えられることなく自分に合った学びを追及してほしいという想いから「既存のコミュニティ」といった「内と外」がはっきりしたものをつくらず、新しい出会いの輪を自由に広げていける環境を重視しています。そのひとの意見と行動、眼差しから信頼を築き、協力しあえる関係を根づかせる。そんなきっかけの場になるようにとプロジェクトを続けています。

 

サイト『神戸モトマチ大学HP』〈http://kobemd.com/

 

○公園をアウトドアリビングへと育てる。

東遊園地は現在人が自然と集まるように設備されています。しかし少し前までは砂ぼこりの舞う土のグラウンドで、人が訪れること自体が少ない公園だったそうです。村上さんは「そういうもの」で完結されていた東遊園地に目をつけ、神戸のまちをより良くするために「URBAN PICNIC」という社会実験を提案し貢献します。はじめに土のグラウンドを芝生の地面へと変え、次に公園の中心には本棚とカフェを作りました。そうしたことで市民は東遊園地に惹かれ足を運ぶようになり、三宮の中心にある公園が市民の「目的地」へと発展していきました。

こうしたひとを巻き込み、発展させるためには「体験の共有」が重要になるといいます。同じものを体験することによりその「感覚」や「感性」を共有することができる。一人一人の意見は異なっていたとしても体験の共有から生まれた「つながり」が、その空間をより質の高いものにするそうです。

  • 動画『URBAN PICNIC-アーバンピクニック-』より。

「楽しみ方はいつも無限大」。

 

動画『URBAN PICNIC-アーバンピクニック-』〈https://youtu.be/mPh9A2AiZ24

サイト『URBAN PICNIC-AT EAST PARK,KOBE-』〈http://urbanpicnic.jp/

 

○「まちづくり」を自然と発生させる。

「公園を育てることに、どれだけ多くの市民が参加するか」。傍から見ているだけだったひとを参加者に変える。そこには相応の魅力が必要となります。その場に惹きつけられたひとが「主催者側にまわれること」を実感することも大切であるとおっしゃっていました。公園で本を読んでもらうための企画「アウトドアライブラリー」では立ち寄った方に本を寄付してもらうことで成り立っています。「一冊」を条件にそれぞれ想いのこもった本が集まるそうです。その他にも家で眠っていた楽器を自由に触らせてもらうイベントなど「場は自分達でもつくることができる」ということを知ってもらい、市民に率先して動いてもらうことが理想だといいます。

村上さんは神戸市に住まうひとの笑顔が広がる「居心地のよい空間」をつくることのできるように、「まち」と「ひと」の関係をしっかり推し量っていきたいとおっしゃっていました。

  • 協働と参画のプラットホーム!

 

○いち学生所感。

「既存コミュニティは広がらない」。過去に何度も感じたことのあるものが言語化された瞬間でした。対ひとだけでなく趣味や学びでもそのように感じます。どこかに所属しているということはそれだけで自身を説明できるものとなり、安心するかもしれません。しかしそのひとつの「所属場所」が自身の中で大きくなりすぎてしまうと、新しいものを取り入れることが困難になります。村上さんのおっしゃっていた必要以上に親密にならない、「友だちだから」という感情のない関係というのは、より鮮明で真っすぐな意見交換ができると想像できます。

「まちを良くするために、ひとを変える。ひとを変えるために、自分が変わる。」そのために積極的に自分をアップデートし、より多くの価値観に触れる必要があると感じました。「自分が変わるとまちも変えることができる」。まちづくりの根源にある重要なことを教えていただきました。(学生ライター関口)